以前から「アニメーターの給料は低い」と、言われています。
果たして、それは本当でしょうか?
今回はJAnicA(日本アニメーター・演出境界)が発表した「アニメーション制作者実態調査報告書2019」をもとに、アニメーターの給料が低い理由について考えてみます。
アニメーターの給料は低いのか?
2017年の年間収入の平均は440万円になっています。2013年のときの年間収入の平均が332万円なので、この4年間で100万円以上も増えていることになります。
国税庁が発行した「民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収が441万円になっていますので、安いとはいえません。
アニメーターは完全出来高制を採用し、1枚あたりの単価は200円が相場といわれていました。
しかし現在だとアニメーションで働く労働者の約半分近くが拘束契約を結び、1か月あたりの拘束料収入は平均27万円になっています。
※ 拘束契約とは、最低限保証されている給料
アニメーターの給料が低い理由とは?
実際には全てのアニメーターが満足する給料をもらっているわけではありません。中には給料が安くて悩んでいる声もあります。
「アニメの制作本数が多すぎると感じています。1本あたりの利益率が低いのだから仕方ないと言われたりしますが、そこで思考停止してほしくないです。」
「35歳となり、ようやく生活や仕事が安定してきました。ですがそれ以前は安定せずお金がなく借金をしてまでアニメを続ける状態で同業者は多くやめて行きました。」
しかし中には、
「アニメーターの賃金の低さがよく話に上がりますが、仕事人としてしっかりとスキルを身につけている人たちは普通に稼げています。
仕事に向いていない人が簡単に業界に入って仕事をもらえてしまう。しかしアニメの仕事に向いていないので、苦労する上に稼げてない。そんな人が業界の7割くらいいるように思います。
職業を選ぶのは個人の自由ですが、未熟な人が多すぎるアニメ業界はどうなのか、どうにかならないかと日頃感じています。」
といった声もあります。
またアニメーターの給料が低い理由として、制作会社が発注元と契約を結ぶ際に「アニメーション制作業界における下請適正取引ガイドライン」を認知しているかという点も考えられます。
「アニメーション制作業界における下請適正取引ガイドライン」とは、「下請法」や「独占禁止法」などの法律的な観点から制作会社となる下請けが不利な契約を結ばないようにするためのガイドラインです。
「アニメーション制作業界における下請適正取引ガイドライン」の存在を知らずに発注元から仕事をもらうと、安い金額で契約を結んでしまう可能性が考えられます。そうなってしまうと、アニメーターに支払われる給料も安くなってしまうことになります。
アニメーターは過酷
アニメーションとして働く人の1日あたりの平均作業時間は9.66時間になっています。
また、1か月あたりの平均休日は5.4日になっています。
実際に仕事上の問題としても
「報酬額はほぼ変わらないのに、作業内容がここ10年度でどんどん手間のかかるものになってきている」
「体調を崩したり、うつ病になる人が多い。フリーランスなので働けなくなると社会保障もなく、収入も止まるため、無理をして働かざるを得ない。」
「体力に合った仕事のやりかたをしていると生活する収入が得られない。」
「業界全体の底上げがまだまだ必要と感じる。それなくして、若い子達の育成、定着は、あり得ない。」
などの声があります。
アニメーターの年収を上げる方法
|
平均収入 |
教える仕事 |
64万円 |
マンガ家 |
147万円 |
イラストレーター・同人誌 |
48万円 |
その他 |
148万円 |
アニメーション制作以外の年間平均収入
また、アニメーション制作以外にも「教える仕事」「マンガ家」「イラストレーター」「その他」で収入を得ている人もいます。
アニメーターとして年収を上げるためには、技術を活かしてアニメーション以外の方法で収入を得ることもできます。
これまでは技能・技術を磨くためには制作会社で身につける必要がありました。しかし、クラウドワークスで仕事を受注すれば報酬をもらいながら技能・技術を磨くこともできます。
例えば、クラウドワークスの大手である「ランサーズ」では「イラスト制作」や「マンガ アニメーション」などの仕事を募集しています。
イラストとアニメーションなど、スキルとスキルをかけわせることで年収1,000万円を実現した人もいます。動画にてご紹介しますので、参考にして下さい。
アニメーターの給料が低い理由についてのまとめ
アニメーターとして給料が低くて悩んでいる人がいる一方、アニメーターの枠に収まらず様々な手法で収入を得ている人もいます。
アニメーターは今後、制作会社のみに依存するタイプと他のところから仕事を取りに行くタイプで二極化が進んでいき、給料が高い人と低い人で分かれていくのではないかと考えられます。
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