東芝(6502)が約3年半ぶりに東証1部復帰 会社について分析してみた

会社・銘柄

1月22日、東証2部に降格されていた東芝(6502)が経営再建を果たしたとして東証1部への復帰が正式に決定しました。

東証1部復帰を果たした東芝(6502)はどのくらい経営再建を果たしたのでしょうか? そして、本当に大丈夫なのでしょうか?

そこで今回、有価証券報告書から私なりに解説していきたいと思います。

 

 

東証1部復帰を果たした東芝(6502)の株価が高騰

ヤフーファイナスより引用

アメリカの原子力事業で巨額の損失を出し、債務超過に陥った東芝(6502)はこれまで東証2部に降格していました。

しかし経営再建が認められ、1月22日には東証1部への復帰が決定しました。

市場ではこれを好材料として受け止められ、1月25日に株価は高騰しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツイッターなどを見ても、ポジティブな意見が多い印象です。

 

 

東芝(6502)の有価証券報告書から、会社を分析してみる

無事に東証1部復帰を果たした東芝(6502)ですが、どのくらい経営再建が進んでいるのでしょうか? そして、東芝(6502)に投資をしても大丈夫なのでしょうか?

そこで今回、有価証券報告書から会社を分析して気になったポイントを解説していきたいと思います。

 

東芝Nextプラン

東芝(6502)「有価証券報告書第181期」から引用

2018年11月、経営上の目標達成状況を判断するため東芝(6501)は「東芝Nextプラン」を策定しました。

例えば2020年度の営業利益率は3.8%ですが、2023年度目標として営業利益率8%以上を目指しています。これが実現すれば利益も倍以上になる計算です。

 

確実に成長ができる分野への集中投資

東芝(6502)「有価証券報告書第181期」から引用

東芝(6502)は今後、確実に利益成長が見込める分野に集中投資するようです。

例えば2020年度は「鉄道部品関連製造設備」「パワー半導体製造設備、ニアラインHDD製造設備」「IT刷新/次世代基幹システム」に対して設備投資を行っています。

この分野に詳しい知識があるなら、投資に有利な判断ができると思います。

 

減収が続く業績

(単位:百万円)

 

第178期

第179期

第180期

第181期

 

2017年
3月

2018年
3月

2019年
3月

2020年
3月

売上高

4,043,736

3,947,596

3,693,539

3,389,871

売上総利益

1,028,540

960,756

909,975

917,869

営業利益

96,537

86,184

35,447

130,460

当期純利益

▲965,663

804,011

1,013,256

▲114,633

 

東芝(6502)「有価証券報告書第179期」「有価証券報告書第181期」から作成

こちらは、子会社なども含めた東芝(6502)グループ全体の業績を表しています。

売上高は減収で右肩下がりが続いています。

2020年3月になると、営業利益は大幅に改善しています。しかし、当期純利益は黒字から一転して赤字に転落しています。赤字になった理由は「持分法による投資損失」と「LNG事業譲渡による売却関連費用等の損失」を計上したためのようです。

 

(単位:百万円)

 

第178期

第179期

第180期

第181期

 

2017年
3月

2018年
3月

2019年
3月

2020年
3月

売上高

4,043,736

3,947,596

3,693,539

3,389,871

総資産

4,269,513

4,458,211

4,297,344

3,383,433

従業員数(人)

153,492

141,256

128,697

125,648

 

東芝(6502)「有価証券報告書第181期」から作成

東芝(6502)の売上高減収の理由は、経営再建のために不採算事業の撤退や人員の適正化を図っているためだと考えられます。

売上高の減収に伴い、総資産及び従業員数も減少傾向になっています。

 

 

第178期

第179期

第180期

第181期

 

2017年
3月

2018年
3月

2019年
3月

2020年
3月

売上高総利益率

25.4%

24.3%

24.6%

27.1%

営業利益率

2.4%

2.2%

1.0%

3.8%

 

東芝(6502)「有価証券報告書第179期」「有価証券報告書第181期」から作成

そして、2020年3月には売上高総利益率及び営業利益率が改善しています。

 

子会社3社と自己株式の取得

 

第178期

第179期

第180期

第181期

 

2017年
3月

2018年
3月

2019年
3月

2020年
3月

流動比率

100.0%

147.0%

161.0%

145.0%

当座比率

55.7%

60.4%

125.0%

96.0%

株主資本比率

▲13.0%

17.6%

33.9%

27.8%

 

東芝(6502)「有価証券報告書第179期」「有価証券報告書第181期」から作成

これまで改善傾向が続いていた流動比率、当座比率、株主資本比率ですが、2020年3月になると悪化しています。

その理由について詳しく調べてみると、「上場子会社3社株式に対する公開買付けによる支出」や「自己株式の取得」のためにキャッシュを使用したことが主な理由でした。

 

(単位:百万円)

 

第180期

第181期

 

2019年
3月

2020年
3月

上場子会社3社株式に対する公開買付けによる支出

▲161,373

自己株式の取得

▲399,924

▲300,886

例えば、上場子会社3社の株式に対する公開買付けを行うために1,614億円のキャッシュを使い、自己株式を取得するために7,008億円を使っています。

※2020年3月31日時点の東芝(6502)の総資産額は1兆4612億円になりますので、「上場子会社3社株式に対する公開買付け」と「自己株式の取得」のために使ったキャッシュの規模の大きさがわかると思います。

 

東芝(6502)「有価証券報告書第181期」から引用

上場子会社である「東芝プラントシステム(株)」「西芝電機(株)」「(株)ニューフレアクテノロジー」株式の公開買付を行った理由については、完全子会社にして一体運営を行うことでグループの企業価値の最大化を実現できるためと説明されています。

※上場子会社3社株式の公開買付を行った詳しい理由については、

当社子会社(東芝インフラシステムズ株式会社)による西芝電機株式会社株式(証券コード6591)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ

当社子会社(東芝デバイス&ストレージ株式会社)による株式会社ニューフレアテクノロジー株式(証券コード6256)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ

東芝プラントシステム株式会社株式(証券コード1983)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ

をご覧ください。

 

東芝(6502)「有価証券報告書第181期」から引用

また自己株式の取得を行った理由については、リスク耐性を阻害しない範囲でその一部を株主に還元することが、ROE(株主資本利益率)の向上などにつながり、資本コストを考慮すれば、株主価値の更なる向上という観点から自己株式の取得を決議したと説明されています。

 

一般的に経営再建中の会社がキャッシュを保有している場合、負債の返済や売上拡大のための設備投資、もしくは将来に備えてキャッシュを保有することが一般的だと思います。

しかし、子会社株式の取得や自己株式の取得のために巨額のキャッシュを使う東芝(6502)経営陣の判断はなかなか面白いと思いました。

 

 

東芝(6502)についてのまとめ

アメリカの原子力事業で巨額の損失を出し債務超過に陥った東芝(6502)ですが、それから3年余りでここまで経営再建を果たしたのは立派だと思います。

会社の有価証券報告書を読み、東芝(6502)経営陣の手腕を信じるなら投資をしてみるのもアリだなと思いました。

最後に、株式投資は自己責任でお願いします。

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